中学生に、「先生、頭皮やべくねえ?」さらに、たたみかけるように「薄くなってるし・・・」
私も中ば、「ちょっとこの頃、風呂で髪を洗うと抜け毛が多くなったかな?」と、自分でも小さな異変に見て見ぬふりができなくなってきた矢先の、鋭い指摘。愕然とし血の気がさあっと引いていくのが分かった。
そういえば、最近娘も「お母さん、分け目がやけに目立つけど・・・」「早く手を打たないと薄毛になっていくよ。年齢まるだしでおばあさんみたいで、びっくりするんだけど・・・」
こんな危機感を募らせる言葉のオンパレードで攻め立てられているのを思い出しました。実は、薄毛の悩みは、今回が初めてではない。数年前も徐々に頭頂部が危機的な状況になってきて、いち早く手を打ち「脱薄毛」見事に達成した成功譚を持っているこの私に、二度目の危機的状況が襲ってきている。加齢と老化は、この成功体験をもっているこの私を見逃してはくれないようだ。
もう、薄毛の悩みとはおさらば、きっぱり手をきったと、たかをくくって、あげくの果て、手鏡をもってさまざまな角度で薄毛の検証に入った。見れば見るほど、正真正銘の立派な薄毛である。儚げで細く、こしも足りない私の毛は、見事に過疎化がすすんでいるではないか!!
焦りと落ち込みで、目の前が暗くなっていくのが分かる。しかし、望みの道もあり、希望の光をもたらす救世主も身近なところから現れたのが、幸いであった。
娘が数か月前から、美容を変えて、その画期的なヘアケア、スカルプケアを私にPRしていたのを思い出した。
わらをもすがる思いとはこのことである。「私の弱い頭皮と毛根をお助けください」と祈る思いで訪れた美容室。
出会った店長さんは、救いの神に見えてくるから不思議。毛髪・頭皮診断を終え、情けない薄毛からの脱出方法を具体的に教えてもらい、勧められたクレンジングとシャンプーを買い求めた。クレンジング剤の効果を信じ、しっかり洗髪前のマッサージにも心を込めた。硬くなった頭皮が柔らかくなるように、時間もかけている。シャンプー剤が残らないように、これでもかという程入念なすすぎも心掛けた。新しい商品に変えて、三回目のシャンプーの後、劇的な変化が起こった。勧められた毛髪剤以外、トリートメントなど一切足し算してないのに、髪が元気を盛り返したように立ち上がり、髪の表面もつややかになり、指通りにも変化が現れた。
私への観察眼をより鋭くした娘は、「お母さん、頭皮がきれいになって汚れがないよ。べたっとした感じもなくてすごい」・・・心の中で「やったあ」と喝采を繰り返す私の横で、左右前後から私の頭部に関する、劇的ビフォー・アフターを興味と感心で眺め回す娘に「店長さんのアドヴァイスで、命拾いした。シャンプーが気持ちよくて、頭皮がよみがえる爽快感を久々に味わってるよ」と満面の笑みで話す、私の幸福感といったらない。部分かつらのお世話だけにはなりたくないと、豪語・宣言するだけで何も前向きに取り組んでこなかったのだから、出会えた人・物・好機すべてに感謝である。
試行錯誤を繰り返しても、確かな手ごたえに遭遇する幸運は、そうは滅多にあるものではない。最短距離で、失敗や失望感もなく、ファッションのかなめのヘアーに自信が芽生えてうれしい。薄毛地獄からの生還できたのは、むこう数十年の女の人生に大きな福音をもたらす。
現在は、カラリングを繰り返し、脱色したり、冒険と称して様々なダメージを髪に頭皮に与えてきたりした負の歴史にピリオドを打って、髪にも頭皮にも優しい「ヘアをいつくしむ美容」の道を歩んでいきたいと思っている。素晴らしく才にたけた、美容室をよりどころにして・・・
かくして、美の伝道師がまた一人、私の人生に登場したことでシニアライフが豊かで楽しいものと変わっていくことを確信している。美容室と店長大谷さんに心より感謝しお礼申し上げます。